「買ったほうが安いんじゃないの」——正しい問いです。そして条件によっては、そのとおりです。
長く使う予定がはっきりしているなら、購入のほうが総額を抑えられる場合があります。当社の料金でも、おおむね15か月以上の運営を見込んでいるなら、購入と比べてよく検討する価値があります(実際の分岐点は台数と構成で変わるので、そこはご相談ください)。
「リースは初期費用が抑えられます」——これはどのリース会社も言います。それだけが理由なら、資金に余裕のある店は買ったほうがいい。そこは隠しません。
問題は、機材を買ったあとに何が残るかです。
演出用の照明器具は、一般の照明とは扱いが違います。業界団体(公益社団法人 劇場演出空間技術協会=JATET)の安全手帳は、冒頭でこう書いています——演出空間用照明器具は「大型で高熱になり、電気容量が大きいので、取り扱い方を間違えると事故、火災の原因」になる(p.2)。
| 買っても消えないもの | 中身 |
|---|---|
| 点検 | 日常点検が33項目(清掃・増締め・交換・修理依頼)。端子ネジの緩みは接触不良からケーブル焼損につながる(p.10・p.12) |
| 測定 | 絶縁抵抗5MΩ以上の確認(演出空間仮設電気設備指針 2.2.4項③)。測定器と知識が要ります |
| 部品の更新 | 灯体・レンズ・リフレクタ・ソケット・内部配線・ケーブル・ワイヤに適正更新時期がある。しかも年間使用日数で変わる(基準=JATET-L-7190) |
| 落下防止ワイヤ | 一度衝撃を受けたら新品に交換(p.12)。判断できるのは専門家だけ |
| 有資格者 | 電源側に触る工事は電気工事士でなければ行えません |
部品の交換時期は「何年」ではなく「どれだけ使ったか」で決まります。
劇場やホールは公演のある日に使います。クラブやホストクラブは毎日営業して、毎晩動かし続けます。同じ器具でも、消耗の速さがまったく違う。
つまり——メーカーの一般的な交換目安をそのまま当てると、実態より遅れます。「まだ壊れていないから大丈夫」で回していると、ある晩に止まります。動きの鈍り、光量の落ち、端子の緩みは、少しずつ進みます。
当社がリースという形をとっている理由は、ここです。「初期費用が安いから」ではなく、「点検と交換と有資格者がセットでないと安全に使い続けられない機材だから」。買い切りで売る会社にも、据え付けない短期レンタルにも、この部分は引き受けられません。
| 含まれる | 中身 |
|---|---|
| 工事一式 | 有資格者による電気工事・電材・機材取付費 |
| 設定 | 演出パターンの作り込みと引き渡し(設置と運用) |
| 保証 | 故意でない破損・誤操作による故障は交換対応(物損は対象外) |
| LEDの劣化 | 明るさの低下を見て約2年を目安に交換。光源そのものの寿命は機種の公称で約50,000時間あるので、切れる前に、暗くなった時点で替えます |
初期費用としてかかるのは、制御装置一式・取付金物類・発生材処分費などです。金額は料金・月額シミュレーターに掲載しています。
イベント用の短期レンタルは、機材を借りて、使って、返す形です。据え付けません。そのため、次の2つが毎回振り出しに戻ります。
| こういう店は | 向く形 |
|---|---|
| 長く続ける前提があり、点検・交換を任せられる業者がすでにいる | 購入。総額では有利になり得ます |
| 開店したばかり/改装直後で、初期の現金を機材に寝かせたくない | リース |
| 照明を触れるスタッフがいない。壊れたときに誰に言えばいいか決めておきたい | リース |
| 数か月だけのイベント・期間限定の出店 | 短期レンタル(当社の形ではありません) |
当社はすべての店にリースを勧めているわけではありません。買ったほうがいい店には、そう申し上げます。そのうえで、買う場合でも点検と交換の体制だけは先に決めておいてください——それだけは、どちらを選んでも変わらないからです。