カタログの1行——「1.5° / 34ch / GOBO 7+1 / 3面プリズム」。ここが読めるようになると、機種選びはほとんど終わります。
| 用語 | 意味 | 数字の読み方 |
|---|---|---|
| パン(PAN) | 左右に振る動き | 「540°」なら一周半まで回る |
| チルト(TILT) | 上下に振る動き | 「270°」なら真下から真上を越えて反対側まで |
| ヨーク | 灯体をはさんで支えている U字の腕。これが動く | ヨーク型=ムービングヘッド |
| ホームポジション | 電源を入れた直後に器具が自分で探しにいく基準の向き | 起動時にひとりでに動くのは故障ではありません |
| 用語 | 意味 | 実機の数字 |
|---|---|---|
| ビーム角 | 光の広がり方。小さいほど細い | 当社のビーム機は最小1.5°。10m先で直径26cm |
| ズーム | ビーム角を器具側で変える機能 | 「5〜45°」なら細い柱から広い面まで1台でこなす |
| プリズム | 光路に入れると1本の光が何本にも分かれる | 「3面」「8面」=分かれる本数 |
| フロスト | すりガラスのような板。エッジをぼかして柔らかくする | あると「にじませる」表現ができる |
| アイリス | 光の太さを絞る羽根(カメラの絞りと同じ理屈) | ズームと違い、明るさを保ったまま細くできる |
| 用語 | 意味 | 読み方の例 |
|---|---|---|
| ゴボ(GOBO) | 模様を切り抜いた金属板・ガラス板。光路に差し込むと床や壁に模様が出る | 「7+1」=模様7種+素通し1という意味 |
| 回転ゴボ | ゴボそのものがくるくる回る。模様が動く | 「ローテーションゴボ」とも書かれる |
| カラーホイール | 色板を並べた円盤。回して色を切り替える | 「8色+白」=8枚の色板+素通し |
| CMY混色 | シアン・マゼンタ・イエローの3枚を重ねて無段階に色を作る | カラーホイールより中間色が自由 |
| CTO / CTB | 色温度を電球色寄り(CTO)/昼白色寄り(CTB)に変えるフィルタ | 店の内装に光の色味を合わせるときに使う |
「34ch」は、その器具が34個の指示を受け取れるという意味です。
DMX512は、舞台照明の世界共通の制御信号です。1本のケーブルを器具から器具へ数珠つなぎにして、卓から指示を流します。1本の線に流せる指示は512個——これが「512」の由来です。
チャンネル(ch)は、その512個のうち何個をその器具が使うか。当社のビームムービングヘッド 295は34chを使います。パンに1つ、チルトに1つ、色に1つ……と役割ごとに割り当てられていて、動かせる要素が多い器具ほどチャンネルも増えます。実際、当社の機種でも小型ムービングヘッド(150W級)は12ch、ヴィンテージシルエットライト系は最大30chと幅があります。512を何台で分け合うかは、この数で決まります。
アドレスは、その器具が「512個のうち何番目から自分の分だ」と名乗る番号です。34chの器具を1番から並べるなら、次の器具は35番。ここが重なると2台が同じ動きをします(現場で「なぜか2台だけ連動する」の原因はたいていこれです)。
終端抵抗(ターミネーター)は、数珠つなぎのいちばん最後に挿す部品。無くても動いてしまうことが多いのですが、信号が反射して時々ちらつく・勝手に動くという不安定さの原因になります。
※ 512個を使い切ったら「2ユニバース目」に分けます。当社が納品する規模なら、512で足りることがほとんどです。
| 用語 | 意味 | 注意 |
|---|---|---|
| W(ワット) | 消費電力。「150W級」のように機種の大きさを表す言い方として定着している | W は明るさの単位ではありません。同じ150Wでも明るさは機種で違います |
| lm(ルーメン) | 光の量そのもの | カタログに出ていないことも多く、比べるなら実物を点けるのが確実です |
| lx(ルクス) | 面がどれだけ明るいか | 風営法で問われるのはこちら。照度の話で扱っています |
| LED光源/ランプ光源 | いま入る器具はほぼLED | LEDは徐々に暗くなる。光源の寿命は機種の公称で約50,000時間あるが、当社は明るさの低下を見て約2年を交換の目安にしています |
冒頭の1行に戻ります。「1.5° / 34ch / GOBO 7+1 / 3面プリズム」——ここまで読めば、こう読み解けます。
つまりこの器具は「空中の光線を主役にする機種」です。ウォッシュ的に面を塗りたい店には別の系統が向きます。スポット・ウォッシュ・ビームの違いで、その使い分けを説明しています。