スポット・ウォッシュ・ビームの違いムービングライトの種類を選び分ける

どれも同じように首を振って光るのに、名前が違う。結論から言うと、違いは「光の出方」ひとつだけです。そこから、できること・向く店・スモークの要否まで、すべてが決まります。

オレンジのビームが客席の上で交差しているライブ会場
ビーム
細く、まっすぐ。ほとんど広がらない。
空中に光の柱を立てる
6色の光が床に丸い模様を落としている
スポット
輪郭のはっきりした円。絞れる。
床や壁に模様を落とす
19灯のウォッシュライトが虹色に光り、光が広がっている
ウォッシュ
やわらかく広がる。輪郭がぼける。
面を色で塗る

「柱を立てる」「模様を落とす」「面を塗る」——この3つは、役割が違うだけで優劣はありません。どれか1種類で揃えるより、混ぜたほうが空間は立ちます。以下、ひとつずつ見ていきます。

1.ビーム——光そのものを見せる

白いビームが何本も空に伸び、観客の頭上を通り抜けている
ビームは「照らす」のではなく「在る」。空中を突く光の束そのものが主役になります。

レンズから出た光がほとんど広がらず、まっすぐ空を突くタイプです。当社が扱う機種では、最小ビーム角1.5°まで絞れるものがあります。1.5°は、10m先で直径26cmほどの太さ(1.5°から計算=2×10m×tan0.75°)。ほぼ棒です。

この細さがあると、光は「何かを照らすもの」ではなく「そこに在るもの」に見えます。クラブで天井から何本もの光が交差して動く、あの絵はビームの仕事です。プリズムを噛ませれば1本が何本にも分かれ、一気に本数が増えます。

要注意——ビームはスモークが無いと、ほぼ何も見えません。

光は空気中に粒が無ければ目に見えないので、細い光線を飛ばしても着地点が光るだけになります。ビームを入れるなら、スモークマシンは付属品ではなく必需品です。「ムービングライトを入れたのに思っていた画にならない」——この相談は、ほとんどがこれです。

2.スポット——模様を落とす

色とりどりの光がランウェイ上に降り、床に形が落ちている
ピントが合うので、光路にゴボ(模様板)を差し込むと床や壁に模様がはっきり結びます。

輪郭のくっきりした円を作るタイプ。ビームより少し広がりますが、ピントが合うのが特徴です。そのため、ゴボ(模様を切り抜いた板)を光路に差し込むと、床や壁に模様がはっきり結びます。星、水紋、幾何学模様、店のロゴ。ズームで大きさも変えられます。

「フロアに何かを描きたい」ならスポットです。ビームは細すぎて模様が結ばず、ウォッシュはぼけすぎて模様が溶けます。模様を落とせるのはスポットだけだと覚えておくと、選ぶときに迷いません。

3.ウォッシュ——面を色で塗る

名前のとおり、光で面を洗う(wash)ように広く照らします。輪郭はやわらかく、隣の光と自然に混ざります。ゴボは基本的に入りません。模様を作る器具ではなく、空間全体の色を決める器具です。

ウォッシュの利点は、スモークが無くても効果が出ることです。壁やソファや人に直接色が乗るので、煙に頼らずに空気が変わります。カウンターやボックス席の色をまるごと変えたい、という使い方はウォッシュの領分です。

当社の系統では、この枠がいちばん機種数が多い(ウォッシュ/シェイキング系で全38機種)。12灯・19灯といった多灯タイプ、リング状に光るもの、5連で波打つように動くものなど、見た目の派手さの幅がここに集中しています。

4.ハイブリッド(3in1)——1台で3役

近年増えているのが、ビーム・スポット・ウォッシュを1台で切り替えられるタイプです。当社の扱いでは「大型3in1ビームムービングヘッド 380級」などが該当します。

台数を絞りたい場合には有力ですが、万能ではありません。1台で3役をこなす分、それぞれの専用機に比べると、ビームの細さやウォッシュの広がりはやや控えめになります。「少ない台数で幅を出したいならハイブリッド、決めの絵を作りたいなら専用機」——これが実務での分かれ目です。

並べて比べる

 ビームスポットウォッシュ
光の広がりほとんど無し(1.5°〜)中くらい・輪郭が出る広い・輪郭がぼける
ゴボ(模様)△ 細すぎて結びにくい◎ 得意× 基本的に入らない
スモーク◎ ほぼ必須○ あると映える△ 無くても効く
効く場所空中床・壁面全体・人
向く店クラブ、ライブハウス、天井の高い箱ステージのある店、ロゴを出したい店ラウンジ、ホストクラブ、天井の低い店
当社の機種数全29機種(スポット機能はビーム系・ミニ系 全35機種に含む)全38機種

結局、うちの店には何が要るのか

実際の現場では、1種類だけで組むことはまずありません。よくある考え方はこうです。

当社が実際に納めた40坪(14.5m×9.1m)のラウンジでは、ムービングライト12台+スモークマシン2台という構成にしています。配置図と月額は導入例に載せています。

とはいえ、こうした組み方は天井の高さ・広さ・電源・座席の配置で変わります。図面か、天井とフロアが写った写真を送っていただければ、構成と月額の目安をお返しします。

次に読むもの

このページを書いているのは、クラブ・ホストクラブ・ラウンジ・ライブハウスにステージ照明を実際に施工している電気工事会社(日本ネオン株式会社)です。機材の販売店でも、翻訳された海外メーカーの資料でもありません。

機材一覧を見る料金・月額シミュレーター →

▲ ページの上へ
公式LINEAIに相談するお問い合わせ