どれも同じように首を振って光るのに、名前が違う。結論から言うと、違いは「光の出方」ひとつだけです。そこから、できること・向く店・スモークの要否まで、すべてが決まります。
「柱を立てる」「模様を落とす」「面を塗る」——この3つは、役割が違うだけで優劣はありません。どれか1種類で揃えるより、混ぜたほうが空間は立ちます。以下、ひとつずつ見ていきます。
レンズから出た光がほとんど広がらず、まっすぐ空を突くタイプです。当社が扱う機種では、最小ビーム角1.5°まで絞れるものがあります。1.5°は、10m先で直径26cmほどの太さ(1.5°から計算=2×10m×tan0.75°)。ほぼ棒です。
この細さがあると、光は「何かを照らすもの」ではなく「そこに在るもの」に見えます。クラブで天井から何本もの光が交差して動く、あの絵はビームの仕事です。プリズムを噛ませれば1本が何本にも分かれ、一気に本数が増えます。
要注意——ビームはスモークが無いと、ほぼ何も見えません。
光は空気中に粒が無ければ目に見えないので、細い光線を飛ばしても着地点が光るだけになります。ビームを入れるなら、スモークマシンは付属品ではなく必需品です。「ムービングライトを入れたのに思っていた画にならない」——この相談は、ほとんどがこれです。
輪郭のくっきりした円を作るタイプ。ビームより少し広がりますが、ピントが合うのが特徴です。そのため、ゴボ(模様を切り抜いた板)を光路に差し込むと、床や壁に模様がはっきり結びます。星、水紋、幾何学模様、店のロゴ。ズームで大きさも変えられます。
「フロアに何かを描きたい」ならスポットです。ビームは細すぎて模様が結ばず、ウォッシュはぼけすぎて模様が溶けます。模様を落とせるのはスポットだけだと覚えておくと、選ぶときに迷いません。
名前のとおり、光で面を洗う(wash)ように広く照らします。輪郭はやわらかく、隣の光と自然に混ざります。ゴボは基本的に入りません。模様を作る器具ではなく、空間全体の色を決める器具です。
ウォッシュの利点は、スモークが無くても効果が出ることです。壁やソファや人に直接色が乗るので、煙に頼らずに空気が変わります。カウンターやボックス席の色をまるごと変えたい、という使い方はウォッシュの領分です。
当社の系統では、この枠がいちばん機種数が多い(ウォッシュ/シェイキング系で全38機種)。12灯・19灯といった多灯タイプ、リング状に光るもの、5連で波打つように動くものなど、見た目の派手さの幅がここに集中しています。
近年増えているのが、ビーム・スポット・ウォッシュを1台で切り替えられるタイプです。当社の扱いでは「大型3in1ビームムービングヘッド 380級」などが該当します。
台数を絞りたい場合には有力ですが、万能ではありません。1台で3役をこなす分、それぞれの専用機に比べると、ビームの細さやウォッシュの広がりはやや控えめになります。「少ない台数で幅を出したいならハイブリッド、決めの絵を作りたいなら専用機」——これが実務での分かれ目です。
| ビーム | スポット | ウォッシュ | |
|---|---|---|---|
| 光の広がり | ほとんど無し(1.5°〜) | 中くらい・輪郭が出る | 広い・輪郭がぼける |
| ゴボ(模様) | △ 細すぎて結びにくい | ◎ 得意 | × 基本的に入らない |
| スモーク | ◎ ほぼ必須 | ○ あると映える | △ 無くても効く |
| 効く場所 | 空中 | 床・壁 | 面全体・人 |
| 向く店 | クラブ、ライブハウス、天井の高い箱 | ステージのある店、ロゴを出したい店 | ラウンジ、ホストクラブ、天井の低い店 |
| 当社の機種数 | 全29機種 | (スポット機能はビーム系・ミニ系 全35機種に含む) | 全38機種 |
実際の現場では、1種類だけで組むことはまずありません。よくある考え方はこうです。
当社が実際に納めた40坪(14.5m×9.1m)のラウンジでは、ムービングライト12台+スモークマシン2台という構成にしています。配置図と月額は導入例に載せています。
とはいえ、こうした組み方は天井の高さ・広さ・電源・座席の配置で変わります。図面か、天井とフロアが写った写真を送っていただければ、構成と月額の目安をお返しします。