レーザー演出の仕組み光の点を動かして線・図形・文字を描く。ILDAとDMXの違い

アニメーションレーザーの円や文字は、光の点を鏡で速く振って描いています。店で入れる時に決めることは、その絵をどこから送るかです。

実店舗の天井のレーザーが、床とテーブルに緑の模様を落としている
天井のレーザーが、床とテーブルに緑の模様を落としています。模様は、光の点が動いた跡です。

このページで説明する描き方をする機材は、レーザーライト(全26機種)です。 店に合わせた目安はAIに相談する

1.絵の中身は「点の並び」

レーザー演出の業界団体である国際レーザーディスプレイ協会(ILDA)は、レーザーの絵を機械どうしで受け渡すための規格(ILDA Image Data Transfer Format・第11版・2014年11月16日)を出しています。そこでは、絵のデータを次のように決めています。

項目規格の記述つまり
点で描く絵は「点」の形のデータで、レーザー投光器のガルバノメータ・スキャナ(光を振る鏡)へそのまま送られる標本。線(ベクター)の形のデータではない文字も円も、点を順番に打っていくことで描く
位置左右・上下とも、16ビットの符号付き整数。左端(下端)が −32768、右端(上端)が +32767投げられる範囲の中を、細かく65,536段に分けて点の場所を指す
消すか点けるか点ごとに「ブランキング」の印。1ならレーザーは消える文字と文字の間を移る時は光を消して動く。だから字が線でつながらない
点の速さこの形式は「点を出す速さ」のような表示の問題を扱わない速さは、データではなく機械(スキャナ)の側で決まる

2.点を振る速さ——「30K」の意味

光を振る鏡がどれだけ速く動けるかは、ILDAのテストパターン(ILDA Test Pattern・第2版・1995年10月)で合わせます。規格は、テストパターンを毎秒12,000点(12K)か30,000点(30K)で出すこと、その速さは±1%以内であることを求めています。

カタログで「30K」と書かれていたら、この試験の絵を30,000点の速さで崩さずに描けるスキャナだ、という意味で読みます。同じ規格は、調整には十分な知識と経験が要り、雑に触ると鏡を傷めると注意しています。店で営業中にいじる所ではありません。

3.店のレーザーを動かす線は2通り——DMXとILDA

ILDAのレーザー投光器の規格(ILDA Standard Projector・第2版・1999年7月)は、レーザーにつなぐ線を2つ決めています。

DMX(DMX‑512)ILDA(DB‑25の端子)
中身1つのチャンネルで1つの働きを動かす(規格の言い方では「512本のつまみ」)。値は0〜255点の位置(X・Y)と、赤・緑・青の明るさを、そのまま電気で送る
電気の決まり照明の卓と同じDMXの線(照明のDMXとは)X・Yは差動で−10V〜+10V(−10Vで左端・下端、+10Vで右端・上端)。赤・緑・青は0V〜+5V(0Vで消える)
店での使い方照明の卓から、ほかの照明と一緒にチャンネルの値で動かす(どのチャンネルで何が動くかは機種の取扱説明書で決まる)パソコンのソフトで作った絵(店名のロゴ・文字・オリジナルの図形)をそのまま描かせる
決まっている端子照明のDMXと同じ25ピンのDB‑25。送る側(パソコン等)がメス、投光器がオス。1番がX+、2番がY+、5〜7番が赤・緑・青の+、4番と17番がインターロック

規格はDB‑25の線で必ず要る信号を「X・Y・赤・緑・青・シャッター・グランド・インターロックの輪」としています。インターロックは、線が抜けた時などにレーザーを止めるための輪です。

出典:ILDA Technical Committee「ILDA Image Data Transfer Format Specification」Revision 011(2014年11月16日)/「ILDA Test Pattern」Revision 002(1995年10月)/「ILDA Standard Projector」Revision 002(1999年7月)。いずれも国際レーザーディスプレイ協会(ilda.com)の技術規格のページで公開されています。Portions of this material are copyright ©1999 by the International Laser Display Association and is used by permission.

4.当社のレーザー3機種は、どちらで動くか

当社が扱うレーザーライトは全26機種です。代表の3機種の諸元は次のとおりです。

機種主要諸元動かし方
フルカラーアニメーションレーザー 標準RGB/DMX512/走査角±20°照明の卓からDMXで動かす
フルカラーアニメーションレーザー 高出力21・36ch/走査角±25°DMXで21か36のチャンネルを使う(卓の側でその数を空けておく)
防水アニメーションレーザーILDA制御対応/走査角60°/全天候型ILDAの線でパソコンのソフトから絵を送れる

走査角は、点を振れる角度の広さです。表記の±20°・±25°を左右に振れる角度として計算すると、5m先での横の広がりは±20°で約3.6m(2×5m×tan20°)、±25°で約4.7m(2×5m×tan25°)です。天井から床までが3mなら、±20°で約2.2m、±25°で約2.8mになります。店の広さに対して、どの距離から投げるかで絵の大きさが決まります。

自分の店で描きたいもので考えると:AIに相談する(店の写真で目安) 機材はレーザー(全26機種)/照明卓は照明卓・統合制御

5.店で決めること

店のしたいこと向く動かし方
営業中に、決まった演出をほかの照明と一緒に回したいDMX。照明の卓にまとめて、1つの卓で動かす
店名やロゴ、イベントの文字を空中や壁に描きたいILDA。絵はパソコンのソフトで作る
屋外やテラスでも使いたい防水の機種(全天候型)

どちらの場合も、光線を空中に見せるには煙が要ります(スモークマシンと火災報知器)。また、クラス3B・クラス4のレーザーには、店の側でやることが決まっています(レーザー演出に資格や届出は要るか)。

自分の店でDMXとILDAのどちらが合うか、何台・どこから投げるかはAIに相談する(この話の続きから) 図面や写真があればお問い合わせフォームから送れます。

レーザーの解説と機材(全6ページ)

6.次に読むもの

最終更新:2026年10月19日。規格の記述は国際レーザーディスプレイ協会(ILDA)の技術規格3本の原文によります。レーザーの諸元は当社が実際に扱っている機種のものです。広がりの数字は、表記の走査角から三角関数で計算した目安です。写真は当社が施工した実店舗のものです。書いているのは、クラブ・ホストクラブ・ラウンジ・ライブハウスにステージ照明を施工している日本ネオン株式会社です。

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