収容人員の計算クラブ・ライブハウス・飲食店は消防法でどう数えるか

「うちのキャパは何人か」。お客さんを何人入れられるかの感覚とは別に、消防法には収容人員という決まった数え方があります。しかも店がどの項に当たるかで、床面積を割る数が15倍違います。同じ60㎡のフロアが、300人にも20人にもなります。

このページでは、その数え方を消防法施行令1条の2と消防法施行規則1条の3の原文(e-Gov 法令検索)で確かめます。照明を入れる店の開業準備で、防火管理者や消防の届出と同じ時期に出てくる数です。

フロアを立見で使うか客席で使うかは、収容人員の数え方だけでなく、照明をどこに付けるかにも関わります。40坪の店の配置図は店の舞台照明の当て方と配置に、機種と数字は機材一覧(11系統 269機種)にあります。 店に合わせた目安はAIに相談する

1.収容人員とは何か

消防法施行令1条の2第3項1号イは、収容人員を「当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数」と定めています。そのうえで同条4項が「収容人員の算定方法は、総務省令で定める」とし、その省令が消防法施行規則1条の3です。

感覚で決める数ではなく、従業者の数と、席の数・床面積から計算する数です。

2.項ごとの数え方(規則1条の3の表)

令別表第一の項足すもの(原文の要旨)
(一)項
劇場・映画館・演芸場・観覧場、公会堂・集会場
従業者の数
+固定式のいす席の数(長いす式は正面幅÷0.4m・1未満切捨て)
+立見席の床面積÷0.2㎡
+その他の部分の床面積÷0.5㎡
(二)項・(三)項のうち遊技場以外
キャバレー・ナイトクラブ等、ダンスホール、飲食店など
従業者の数
+固定式のいす席の数(長いす式は正面幅÷0.5m・1未満切捨て)
+その他の部分の床面積÷3㎡
(二)項・(三)項のうち遊技場従業者の数+遊技の機械器具を使って遊技できる者の数+固定式いす席の数(長いす式は正面幅÷0.5m)

貸しホールや集会場でイベントを開くときの収容人数の計算は、建物が公会堂・集会場にあたるなら表の(一)項の行(立見席は床面積÷0.2㎡、その他の部分は÷0.5㎡)で数えます。同じイベントでも、会場がナイトクラブや飲食店の建物なら(二)項・(三)項の行になります。

※ 店の項((一)項か(二)項か(三)項か)は、建物と使い方で決まり、最終的には所轄の消防署の判断です。ライブハウスやクラブがどの項になるかを、このページでは決めません。

0.2㎡
(一)項の立見席
床面積を0.2㎡で割る。1㎡あたり5人として数える(規則1条の3)
3㎡
(二)(三)項の客席
固定のいす席以外の部分は、床面積を3㎡で割る(同)
30人
防火管理者の線
(一)項〜(四)項などは、収容人員30人以上で防火管理者を定める(令1条の2第3項1号ロ)

3.同じ60㎡で、どれだけ違うか

条文の割る数がどれだけ効くかを、数字で並べます。下の店は計算のための例で、実在の店ではありません。客席部分60㎡(固定のいす席なし)、従業者5人とします。

その60㎡を計算収容人員
(一)項の立見席として数える5人+60÷0.2=5+300305人
(一)項のその他の部分として数える5人+60÷0.5=5+120125人
(二)項・(三)項のその他の部分として数える5人+60÷3=5+2025人

同じ広さで、305人と25人。そして30人の線(防火管理者)をまたぐかどうかも、この違いで変わります。(二)項・(三)項の数え方で25人なら30人未満ですが、(一)項の数え方なら大きく超えます。店がどの項に当たるかを、内装の前に所轄の消防署に確かめておく理由がここにあります。

※ 長いす式のいす席は正面幅を割って1未満を切り捨てると条文にありますが、床面積を割った数の端数の扱いは条文に書かれていません。端数の扱いは所轄の消防署に確かめてください。

4.照明を入れる店で、この数が出てくる場面

当社は収容人員の計算や防火管理者の届出を代わりに行う会社ではありません。ただ、照明を入れる開業準備の中で、次のような話と同じ時期に出てきます。

場面関係するページ
(一)項〜(四)項などで30人以上なら、防火管理者を定める消防法施行令1条の2第3項1号ロ(このページ)
誘導灯を付ける用途か、消灯できるか誘導灯は消していいか
停電の時に点く非常用照明(非常灯)が要る場所か非常用照明(非常灯)と誘導灯の違い
スモークを焚くなら、感知器の種別と届出スモークマシンと火災報知器/スモークマシンと消防署への届出
工事をいつまでに終えるかクラブ・バー・ライブハウスの開業と照明
クラブの天井に並ぶムービングヘッドと、その下のフロア
当社が施工したクラブ。フロアを立見として使うか客席として使うかは、照明の配置にも収容人員の数え方にも関わります。

自分の店の広さで考えると:AIに相談する(店の写真で目安) 広さから台数を決める考え方は選び方(何台要るか・天井の高さ)

5.よくある誤解

誤解実際
「収容人員は、店が決めた定員のこと」従業者の数と、席の数・床面積から規則1条の3の方法で計算する数
「どの店も床面積÷○㎡で同じ」(一)項は立見0.2㎡・その他0.5㎡、(二)項・(三)項(遊技場以外)は3㎡と、項で割る数が違う
「お客さんの数だけ数えればいい」どの項でも従業者の数を足す
「長いすは座れる人数で数える」正面幅を割って数える。(一)項は0.4m、(二)項・(三)項は0.5mで、1未満は切り捨て
「小さい店なら防火管理者は要らない」面積ではなく収容人員30人以上が線((一)項〜(四)項など・令1条の2第3項1号ロ)。数え方次第で小さい店でも超える

自分の店の広さで何人になり、防火管理者が要るかはAIに相談する(この話の続きから) 図面や写真があればお問い合わせフォームから担当者へ。

6.次に読むもの

最終更新:2026年10月18日。条文は、e-Gov 法令検索の消防法施行令(1条の2・別表第一)と消防法施行規則(1条の3)の原文を確認して書いています。3章の60㎡の店は計算のための例です。店がどの項に当たるか、どの部分を立見席・いす席・その他の部分として数えるか、端数の扱い、防火管理者の要否の最終的な判断は所轄の消防署の領分です。このページは照明を据え付ける側からの一般的な説明で、届出の可否を保証するものではありません。書いているのは、クラブ・ホストクラブ・ラウンジ・ライブハウスにステージ照明を実際に施工している電気工事会社(日本ネオン株式会社)です。

開業の流れを見る機材一覧を見る料金・月額シミュレーター →

▲ ページの上へ
AIに相談するお問い合わせ